地球環境問題とは何か 第4章
第4章 国連気候変動枠組み条約の成立とその意味
なぜ国際条約が必要か。地球環境問題はあらゆる国が共通に責任を果たすことが必要であり、どの国も反対はできないからである。なぜ枠組み条約が必要か。多くの国を参加させ、話し合いの場につかせるためである。
温暖化現象の科学的な解明は難しい。IPCCのアセスメントでは、化石燃料に由来するCO2は50億トン、大気全体は7500億トン、中層及び深層海水への貯留量380000億トンと見積もられている。化石燃料の影響大気や海水への貯留量に対して過大かどうか、意見が分かれるところである。
しかし枠組み条約の大きな特徴の一つは、自然科学の専門概念と国際条約の融合にある。温暖化問題では、自然科学が描き出す世界像と国際政治とが重なっている。科学と政治の新しい出会いといえる。
さらに条約の第二の特徴として、主権国家を先進国と発展途上国に二分したことにある。先進国はこれまでOECE加盟国という間接的な表現で表されてきた。しかしこの条約では参加国を2群にわけ、その上で、温暖化の原因の多くが先進国にあることを認め、途上国に対して資金提供や技術移転などの義務を負うことが明記された。
地球環境問題とはすなわち、冷戦終焉後、急浮上してきた南北問題の別表現と見るべき問題なのだということに気づかされた。
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