5月23日の経済省HPに「感性価値創造イニシアティブ」という文書がアップされていた。
感性価値とは、例えば「こだわって作られた製品」とか、「ストーリーを持って生み出された製品」が消費者に与える価値だそうだ。
これまでの消費社会では「性能が良い」、「信頼できる」、「安い」という3つの価値が売れる要因であった。しかし今、そこに、感性」という価値を加えることが必要だ、ということである。
何のために必要かというと、究極的には「精神的な豊かさに満ちた美しい日本」を作るためであり、そうなることによって、日本が「構造変化に耐えて持続的な経済成長」が可能な国になるというのが経済省の考えだ。
そしてその背景には、時代がモノの豊かさから心の豊かさを求める方向に変化していることと、このような「感性価値」の創造が、日本が外国よりも得意である、つまり国際的な競争力になりうる、という判断がある。
この文書には、「感性価値」が高い製品の事例も掲載されているが、ツバキやレクサスとならんで、マンガやポケモンが掲載されている。(個人的には日本酒を入れるべきだと思うが縦割りだから無理だろうね。)
そして、そういうことを進めていくために、経済省は何をするのか、ということも書いてある。
経済省の行うことは3つあって、 一つは、「感性価値」を創造するように企業を導くこと。具体的には、トップが感性価値の重要性を認識していることや、そのことが末端の従業員に浸透することが、経営的に重要だよ、と示してそっちへ誘導すること。
もう一つは、消費者である国民への働きかけ。「感性価値」の高い商品が選択されるように、「感性価値」の重要性を教育とか文化的な活動でPRしていくこと。
3つ目は、「感性価値」を数値化するための、人間工学的研究に基づいた五感の計測である。
この文書、最初から最後まで論理的な整合がとれていて、きれいにまとまっている、と思った。あたりまえかも知れないが、さすが霞ヶ関。
安いだけではない製品の普及には、環境省がすすめている環境にやさしい製品の普及と、農水省が進めている国産農産物の普及がある。
環境にやさしい製品の場合、購買原動力は環境問題に対する意識である。
国産農産物の場合、日本の食糧自給率アップと言いたいところだけど、現実には外国の農産物がこわいということだろう。
今回は「高感性価値」製品の普及になるのだろうけど、その原動力は、美しくて外国に負けない日本ってことになるのか。しかしこれは末端の消費者には浸透しにくいように思う。ここはたぶん、五感の計測が鍵をにぎるだろうと思う。
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